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会報24-5 竹炭焼き 大成功 ― 基礎データ収集に再挑戦

大滝 恒夫 [平成21年(2009)03月31日発行会報第24号から]

 img947前年度の測定データを事前に十分検討し て、(1)煙突の出口の温度を 80℃で約5時間 維持すること、(2)火力を上げるために団扇 の代わりに扇風機で送風すること、(3)ロスト ル上に燃えやすい乾いた竹を置くことの3点 を試みることにした。

1 月の孟宗竹の伐採から、炭焼き用調製、 窯準備等に約 1.5 カ月を要した。前日の夜半 まで雨が降っていたが、3月7日の朝は天気 に恵まれ、作業を9時に開始した。しかし、 前日の雨のため、窯の設置、焚口で燃す材料 の乾燥等に時間を要し、準備が全て整ったの は、予定より2時間遅れの12時であった。

成功を祈りつつ、2台の窯に勝田会長、平林副会長の手で火が入った。その後、煙突の 出口および窯自体の温度を測定・記録したが、 何時になっても煙突出口温度が70℃前後よ り上がらない。そこで、焚口の燃料を乾燥竹材から、雑木等火力のある材木に切り替えたところ、上がり始めた。

その間に交代で、間野料理長による森の畑産小麦粉の手打ちうどんをいただき、美味し く腹ごしらえができ、作業にも熱が入った。 煙突出口温度が以後一気に両窯とも130℃ ~180℃に上昇した。窯の中の竹材が炭化を始 めていることが確かであった。

17 時30 分頃には、煙の色もやや透明化してきたので、焚き口を閉鎖し、煙突を粘土で 塞いで窯を密封状態にして、翌日を楽しみに 帰宅した(当日の作業参加者は 16 名)。

翌8日は 10 時に集り、はやる気持ちを落 ち着けながらドラム缶の掘り出し作業の後、 焚き口周辺の土を除き焚き口から中を覗いた。 2台とも、手前に燃えた灰があり、「すべて 燃えてしまったのか」と不安がよぎったが、 ほぼ完璧な竹炭が得られ、成功を全参加者で喜び合った。数人の見学者からも「素晴らしい」という声が囁かれた。

成功の要因は、冒頭の(2)(3)の方法に加 えて、焚口の燃焼に途中から雑木等を使用し て火力をあげたことなどが考えられる。なお、 竹を割らずに筒状態でドラム缶の中央部に入 れたものも全て成功していたので、今後、芸 術作品等の製作への利用の道も開けるように 思う。また、竹炭の品質上から、原料竹材を さらに吟味することも課題になると感じた。

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