麻生区市民健康の森 ― 麻生鳥のさえずり公園 ―
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会報43-2 西生田小5年生、3年生 「森の体験学習」実施される

副会長 中谷一郎 [平成27年(2015)01月31日発行会報第43号から]

●5年生「環境体験学習」

5年生 132 名の環境体験学習が、10 月 15日(水)午前中、麻生区市民健康の森で時々小雨の中実施されました。天気の関係で、全クラスを1日で行ない、何とか終了できました。会員は 11 名の参加でした。

学習内容は昨年と同じく、①暮らしに役立つ植物たち、②樹木の二酸化炭素吸着量の測定の2テーマを半数交代で実施。

まず、間野会長がこの日の学習の全体的な説明をし、とくに樹木の役割、葉の光合成のしくみ、樹木が吸収する二酸化炭素の計算方法を分りやすく話をしました。

①暮らしに役立つ植物たち

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5年生 ホオノキと暮らしのかかわり

里山の草木がどれほど私たちの生活に活かされているかを、自然観察指導員の高橋英さん、佐藤登喜子さん、および会員のガイドで学ぶものです。16 人編成の4班にガイド各1人がついて9か所を巡回。

取り上げた植物は、広場周辺のコナラとクヌギ・エノキ・ホオノキ・マユミ・チャ・ミツマタ・クロモジ・ワラビ・ヤマグワ。その中で感心が高かったのは、茶と和菓子(ワラビ餅)で、食べるときの高級爪楊枝(クロモジ)の良い香り。お札など和紙(ミツマタ)のこと。日本の伝統文化も森の植物あってこそ。それらの先祖たちの知恵の説明に感心して聞いていました。木のところには樹種名パネルと実物・写真を置きカラーリーフ「観察マップ」を使って説明しました。

②樹木の二酸化炭素吸着量測定

例年通り、班別に樹木の幹回りを測定し、葉面積×吸着指数=C〇2量(kg/年)を算出し、人間が排出するC〇2何人分に当たるかを計算しました。

●3年生「秋の森の観察体験学習」

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3年生 コナラとクヌギの種の旅立ち

秋の森の観察学習が、11 月 20 日(木)の午前中、全4クラス 134 名の児童および先生で実施されました。指導は例年と同じく自然観察指導員高橋英さんと会員8名。

学習内容は、①種の旅立ち、②児童が自分で決めた課題(森の樹木・鳥・昆虫等が季節でどう変化しているかなど)で観察、③ネイチャービンゴゲームの3項目。

①種の旅立ちは全員で実施。種の運ばれ方の特徴から、モミジ:風に舞って、クサギ:鳥に食べられて、イノコズチ:動物に付いて、コナラ:落ちて転がる の4樹種を取り上げ、各樹木の所に1人ずつ説明員が立ち、クラスごとに巡回。カラー写真や実物を見せながら説明しました。クサギは今回始めて取り上げ、赤と濃青で飾った2色効果が鳥を呼ぶこと、モミジの種子が羽根で飛ぶ様子を体験し大喜びでした。

②と③は2交替で行ない、課題観察やビンゴゲームの完成後は、植物見本を置いた藤棚のテーブルに集まり、高橋英講師に熱心に質問をしていました。また子どもたちからは、春・夏の学習も踏まえて 10 項目の鋭い質問が寄せられ、回答しました。機会があればその内容もお伝えします。

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●香りや色など楽しんで学ぶ「種の旅立ち」―生物多様性にも少し触れて 木村 信夫

3年生「種の旅立ち」は、五感を使う学習なので、子どもたちにも教える側にも面白い。鳥に食べて運んでももらう教材として、今回はクサギを選んだ。良い点は、その匂いだ。まず、葉をちぎって嗅いでもらう。ウッと顔をしかめる子、「何か知ってる匂い」という子といろいろだが、「だから臭木=クサギといいます」と名前を覚えてもらう。地方によっては、新葉をお浸しや天ぷらにして食べるので、人の生活との関わりも一言。

次に花の写真を見せると「きれい」。そこで、花はすごくいい香りで、形は蝶が蜜を吸うのに向いているので、夏にはアゲハ蝶が集まること。そして秋、赤い萼片に濃青の実が目立つ。これは実物を見せて、動物の中でも鳥類は色を識別でき、赤と青の二色効果がシジュウカラ・ヒヨドリなどの鳥を呼び寄せること。鳥は果実の養分をもらいながら、筋胃で硬い種を傷つけて発芽しやすくして排泄。植物と動物の助け合いの関係を伝える。

果実からは上品な浅青色の染料がとれる。クサギはメジャーな樹木ではない。しかし、植物と動物と人間が複雑に関係しあって成り立つ里山の豊かさを見ることができる。5年生でもクロモジやマユミなど余り目立たない林縁植物を取り上げているが、子どもたちには、木々には一つひとつ名前があり、大事な存在であることが新鮮な驚きだ。多様性とつながり合いの学びの一歩になればと思う。

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