麻生区市民健康の森 ― 麻生鳥のさえずり公園 ―
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会報18-2 多摩美2丁目斜面緑地の保全についての近況(その 1)

岡村 克彦 [平成19年(2007)09月30日発行会報第18号から]

◆豊かな生態系の一角

麻生区市民健康の森(麻生鳥のさえずり 公園)や多摩美ふれあいの森の南側入り口 に当たる、そば処「檪」の西側の斜面緑地 は、これらの森とつながった一体不可分の緑地で、豊かな動物・植物の生態系が維持 されています。

そして、この土地の保全対策については、 数年前から周辺町会や当会も協力して、対 応してきましたが、今年6月に中央部の465 ㎡に戸建て住宅 3 棟分の宅地造成計画が出されて、突然に斜面の下草刈りや駐車場前 の「水路」の改修工事が始まりました。

そこで、多摩美、四つ葉、若葉の3町会 と麻生の緑を守る会、および当会の5 団体 で協議のうえ、地元麻生区選出の議員を中心に全会派5市議の紹介署名を得て、6月 28日に川崎市議会に「多摩美2丁目斜面緑 地の保全に関する請願」を提出し、請願第10号として受理されました。

この請願の趣旨は、「差し迫った問題と して、残された多摩丘陵の緑地を次世代に引き継いでゆくために、買収を含めた適切 な保全対策を市民との協働による新方式として検討していただきたい」…というものであります。

◆市議会環境委員会で請願が趣旨採択

この請願は、早速、環境委員会に付託さ れ、7月25日には、12 名の委員による現地視察が行われ、周辺住民40名が出迎え て参加しました。

その後、8月29日の市議会環境委員会で、 諸団体31名の傍聴の中、午前11時30分か ら2時間にわたって、熱心な審議がおこな われました。委員会では各会派の委員から共通して、「緑地保全の必要性」が述べられ、「土地の買収に当たっては、環境局長 が率先して事業者と交渉する」ことを確認 したうえで、各派の「全会一致趣旨採択」 となりました。この採決は画期的なことで、 これからの新しい緑地保全のあり方を示唆するものとして、評価されております。

これを受けて9月6日、請願者代表4名 で今後の方針や取組み方について相談のた め、担当の緑政課を訪ねましたが、大変意 外なことに行政としては「当初からの方針 通り趣旨採択の実行は無理で考えられない」との一方的な拒否回答で終始し、びっ くりしました。

これからの緑を守る市民運動の正念場を 迎えております。

ときあたかも9月10日、「市民との協働」 を大前提とした「緑の基本計画改定(30プ ラン)」案が提出されました。

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