麻生区市民健康の森 ― 麻生鳥のさえずり公園 ―
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会報複数-まとめ-藤棚作りの記・その1・2・3

大塚 伊四郎

藤棚作りの記・その1 会報第4号 平成16年(2004)3月31日発行

img3121月26日(月)晴。大木伐採経験のない7人の素人集団が、早野霊園に連なる丘陵に藤棚用の檜の切り出しに行きました。

間伐材を使用とのことで、細い幹を想像していましたが、対象の木は間伐期を逃したのか相当太いものでした。伐採作業は早野聖地公園里山ボランティアのリーダー友部常松さんたちが分担してくださり、我々は彼らの指導のもと、ロープの引張り役と枝打ち、丸太の搬出を行いました。

伐採作業はきわめて危険と聞いていましたが、倒れてくる木を背中に受けしばし立ち上がれなかったり、切り倒した木の大枝を切った瞬間に動いた幹で足を払われ転倒したり、太い丸太と共に急坂を下ったところでへばって動けなくなったり、慣れない力仕事に筋肉が痙攣し一時片腕が使えなくなったりなど、言葉に表せない重労働でした。「次もまたお願いします」といわれたら、仮病を使って寝込むでしょう。

2月11日建国記念日、晴。5人の集団が再び早野聖地公園へ向かいました。過日、切り出した丸太を小道の脇に集めていましたが、これを大きなトラックに積みこむために集積所まで移動する作業でした。

またまた、友部さんたちのご協力をいただき、軽トラックに丸太を乗せて運び、長いものは片側を台車で支え“しずしず”と移動させました。

こうして、2時間あまりの貴重な体験は終了しました。当日、小生は不参加でした。仮病ではなかったことを申し添えます。

なお、この成果は、ぜひ“多摩美の森”でご覧になってください。
(写真:友部さん<中央>の指導で柱用の深さ90cmの穴掘り作業をするメンバー。3月24 日に上棟が行なわれた)

藤棚作りの記・その2 会報第5号 平成16年(2004)6月30日発行

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2004年3月 藤棚の上棟

3月11日からの藤棚準備作業は、丸太の皮 むきから始まりました。鎌でおそるおそる薄く 削り始めましたが、相当に樹皮が厚く、徐々に 大胆に削るようになりました。材の両端を切っ て長さを揃えました。根元の方は太いうえに硬 く、鋸を動かすにもかなりの力が必要で、木が 切れる前に息が切れました。

次いで棟梁の手で丸太に墨打ちがなされ、そ れに従って我々は電動ドリル・ノミ・金槌でホ ゾ穴を掘りました。しかし、“右甚五郎”の悲 しさで、予想外にホゾ穴が曲がるうえ、腕・肩・ 腰が悲鳴をあげました。でも、「このような珍 しい体験は二度となかろう」という思いで、一同は頑張りました。

藤棚を支える四本の柱用に、深さが 90cm の 穴を掘りました。深さと水平度を慎重に確認し ながら穴底に「よいとまけ」を施しました。幾 度も微調整のため、穴に土を入れたり、逆に取 り出したり、これもかなりの苦行でした。穴底 には石盤が必要とのことで、コンクリート塊を 拾い集め、タガネとハンマーで砕きました。“穴 太(あのう)の石工”ならぬ多摩美のセメント 割りは「割れて砕けて裂けて散るなり」で、細 か過ぎてやり直しのご下命となりました。

重い吊鐘に耐える鐘楼の柱は、中心に向かって傾斜する“四方転び”の技法が使われている そうです。この藤棚の柱もその“四方転び”にするべく、穴に微妙な傾斜をとのご下命に、 我々は七転八倒しました。結果として、完成した藤棚の柱を、皆さんはどうご覧になりますか?

 

藤棚作りの記・その3 会報第6号2004年9月30日発行

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4/17、手ほどき受けて竹の棕櫚縄縛り

上の3月24日午前中は一時日射しもある曇りで、午後は雨でした。

朝から柱と桁を組み合わせた“コの字”型 の柱を東西に建て、その上に梁を3本東西に 渡しました。幸い友部さんの知人はじめ散歩 途上の方々4名(すべて会員外)が強力な助 っ人として参加してくださり、予想以上の速 さで組立てることが出来ました。この4名の方々の参加がなければ午後の雨の中での作 業は必定であり、かつ無事に上棟を終了する ことが出来なかったかも知れません。

上棟するまでは、桁や梁に比べて4本の柱 が細すぎてバランスが取れないのではない かと一抹の不安を抱いていましたが、完成してみると惚れ惚れとするよう姿で安心しま した。

4本の柱の周囲には水捌けなどを考慮してコンクリートを砕いて埋め、柱がぐらつかないようにつき固めましたがこれらも結構きつい作業でした。

昨秋に植えた藤の株を、柱との位置関係を ⑤許可後1年間未着工なことについて、など。 調整するために植え替えました。掘り起こす と根が保護袋に包まれたままで、根ぐされ寸前の状態にありました。後日、順調な芽吹き を確認し安堵しました。

その後(日時は忘却の彼方ですが)、次回 の定例活動日まで待てない気の短い3名が 集い、孟宗竹を桁や梁に渡しました。電動ド リルでねじ穴をあけて、長釘を捩じ込んだり、 棕櫚縄の仮縛りも結構の苦行でした。仕上げの棕櫚縄の本縛りは、前述の強力な助っ人の 再登場で完了することが出来ました。末筆な がら改めて厚くお礼申し上げます。

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