麻生区市民健康の森 ― 麻生鳥のさえずり公園 ―
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会報35-6 私の部屋 モロッコの迷宮をさ迷う②

img1261中村 浩 [平成24年(2012)05月31日発行会報第35号から]

 

2日目 朝食後9時過ぎに期待と不安とともにマラケシュ旧市街へ繰り出した。ガイドブックの大まかな地図が頼りだが、現在地が判らず、方角も判らず、とにかくメインストリートと思われる路地を、昨夜と反対方向に行く。

昨夜は人人人で溢れていた通りは閑散としているが、昼間見ると、期待に違わず異国そのもので、2~3階建ての建物の間の路を、男性は地味な色のジュラバ(フード付きロングコート、鼠男の格好そのものである)を着、女性は長いコートとスカーフで顔を隠し、ロバが引く荷車などが通る。路は右に左にゆるやかにカーブし見通しが利かず、合流・枝分かれを繰り返し方向感覚がつかめない。路幅が狭くカーブしているので、陽が当たっているかと思うと、日陰となる。それが夏の強烈な日差しの暑さ対策にもなっているようである。2月の気候は、陽が上がる前は長袖シャツにダウンコートでも寒く、日中は日向ではTシャツ 1 枚で良いが、日陰に入ると上着が欲しくなる。

路地などでカメラを出すと女性は手で顔を隠してしまう。シャッター音を聞きつけたお爺さんには、凄い剣幕で怒られた。「写真を撮るな!」と言っているようだ。観光客が誰も居ないような場所だと結構怖く、大道芸人や水売りおじさんは、写真を撮ったのが分かるとお金を要求する。観光客相手の店員さんは、撮影に気さくに応じてくれた。

ジュマ・エル・フナ広場では、昼間は観光客目当ての蛇使い、猿使い、水売り、大道芸人、露天商と、思い思いに商売をしている。夕暮れ時からは、屋台が立ち並び食堂街に変身する(右の写真)。無秩序に屋台を出していると思ったら、広場にはテントのポールを建てる穴が空けてあり、屋台の配置もスープの屋台から順番に揚げ物屋、羊の脳みそ・・・煙を出すケバブ、甘いデザート、そして屋台村を囲むように、果物・ジュースとナッツの店が並ぶ。

3日目 中心部は完全に制覇したと思っていたのに、広場より宿へ帰路に着くが一向に着かない。どうも曲がる所を間違えたようである。迷宮の街と言われる所以を体験できた。

ジュマ・エ ル・フナ広場 夜の屋台街

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