麻生区市民健康の森 ― 麻生鳥のさえずり公園 ―
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会報34-4 私の部屋 モロッコの迷宮をさ迷う①

中村 浩 [平成24年(2012)01月31日発行会報第34号から]

img11842011 年の1月にアフリカ大陸北端のモロッコに行きました。今回の旅の一番の目的は、迷宮の街をガイドなしで散策し、道に迷うこと。

飛行機でカサブランカまで行き、電車を乗り継いでマラケシュへ。19 時頃着く予定が、電車が遅れて、着いたのは 21 時半頃。駅構内から一歩出ると街灯が少なく、車のヘッドライトが頼りでした。タクシーでマラケシュ旧市街のジャマ・エル・フナ広場へ行き、そこから地図(宿のHPから印刷)を頼りに歩くも、自分の現在地が分からず、行ったり来たり・・・

人に聞いてもよく分からず、住所からあっちじゃないか、2本目の路を右に行けばいい、と言われても、どれが何本目の路かが問題である。地図にはメインストリート(馬車が通れる程度の道幅)と思われるものしか書かれていないのに、実際には幅の変わらない路が何本もある。違いは、メインストリートは人、バイク、自転車、ロバが行き交っている(写真)が、脇道はほとんど人通りがないことくらいだ。

1時間ほど迷ったころ、怪しげなおじさんに聞くと、「知っているよ、ついてきな」と言って、両側が建物に挟まれ枝分かれした人気のない路を進むこと 100mばかり。「ここだ」とおじさんが示す高いドアの上の方に小さな字で宿の名前が書いてあった。考えれば当たり前のことで、予約していた宿は、数百年前に建てられた民家を改造したもの(部屋数5つ)で、隣は住居そのものであった。昼間に来ても絶対に自力では到達できないことを実感させられた。

チェックイン後、夕食をとりにジャマ・エル・フナ広場の屋台へ繰り出した。1時間の徘徊のお陰で土地勘ができ、無事、宿に戻ることができた。これから7日間の、この街と迷宮都市フェズの探歩に期待が膨らむ初日であった。

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