麻生区市民健康の森 ― 麻生鳥のさえずり公園 ―
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会報30-3 沈む前の金星や土星を見る

オーロラ天文台 小川 誠治 [平成22年(2010)09月30日発行会報第30号から]

img10658月7日(土)、夏恒例の麻生区市民健康の森を会場とする「夏の星空を楽しむつどい」が、オーロラ天文台・渋谷星の会の主催で行われました(右下写真)。当日は、やや雲があったものの、透明度にも恵まれて星たちを次々に見ることができました。

今回の目玉は、金星と土星です。明るいので薄明時から見えています。しかし、当地からはこの日の両惑星は西空低くにあって見えにくく、しかもその方向に樹木が伸びて来て邪魔となり、いつ沈んで見えなくなるかもしれない状態で、ギリギリの時間勝負でした。また、なるべく見やすくするため2台の望遠鏡を比較的高台の健康の森出入り口付近に急遽移動しました。精密機械の望遠鏡は移動には細心の注意が必要であり、本当は移動したくないのですが、やむをえません。

その結果、金星の欠けている姿や、土星の環をお見せすることができました。土星の環は 09 年真横になって見えなくなり、再び見えるようになった直後の珍しい形です。

このほか、七夕の星、ミザール、アンタレス、アルクトゥールス、はくちょう座の二重星アルビレオなどを入れましたが、行列が出来る盛況ぶりした。

お待ちいただいている間に、参加された約120 人の皆様に、北斗七星のしっぽの部分の星ミザール、北極星、夏の大三角などなどを解説し、参加者に一緒に探してもらったところ、嬉しいことに質問が続出しました。

このつどいのことが、神奈川新聞や東京新聞で事前に大きく報道されたため、有り難いことに記事をご覧になって来られた方が 20人以上もおられました。また、ラジオ日本の「ヨコハマロハス」という番組に電話で生出演し、お話をさせていただきました。

この会の企画に全面的なご協力をいただいた、麻生多摩美の森の会、若葉町会、川崎・多摩美の山トラストの会の皆様、そして広報にご尽力を下さった多摩美地区各町会の皆様に心から御礼申し上げます。

なお、次回は来年 1 月下旬から2月初旬で、冬の星空を見たいと考えています。

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