麻生区市民健康の森 ― 麻生鳥のさえずり公園 ―
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会報30-2 「川崎・多摩美の山トラスト基金」のご案内

同基金代表 岡村 克彦 [平成22年(2010)09月30日発行会報第30号から]

「多摩美の山トラスト基金」は9月 10 日現在、会員数 31 名、基金募金者 188 名、募金額¥1,539,202 となっています。昨年7月、会の発足に当り、逸早く「麻生多摩美の森の会」のご賛同を得、11 月の説明会や春の自然観察会、さらに8月の森での「おと絵がたり」上演に際して積極的なご協力をいただき、深く感謝しております。

私たちが「多摩美の山」と呼んでいるトラスト対象地は、市民健康の森(1.5ha)と多摩自然遊歩道を中心として、東に多摩特別緑地(5.5ha)、西にふれあいの森(0.8ha)、細山・大久保特別緑地(0.5ha)、そして南に今春、新適用基準第1号として指定された多摩美特別緑地(0.1ha)などの繋がった緑の塊を指しています。さらに東に日本女子大西生田キャンパスの森(30ha)、北によみうりランドへと繋がっています。

この多摩美の山には、キンラン、エビネ、タマノカンアオイなどの絶滅危惧種を含めて約 300 種の植物と、きのこ、昆虫、鳥類なども多く、豊かな生態系を保っているため、「川崎市緑の基本計画」では、市民の貴重な自然環境資源であると評価されています。

この緑の資源を保護し保存してゆくことが「多摩美の山トラスト基金」の目的です。

しかし、進行止まない虫食い開発からこれらの緑を守り、次世代へ残して行くためには、新しい公共事業方式として、先ず市民の行動による熱意表明と、行政との連携が大切であります。そこで、目的達成のために行政と相談・協議しながら協働で使用する市民主体の「トラスト(信託)基金」を設立しました。

“トラスト”とは、百余年前、英国の市民が開発から自然や建物を保護・保存するために、「ナショナルトラスト」の名で全国民に呼びかけた募金活動で、その時の合言葉は、「一人の 1万ポンドより 1万人の 1ポンドを」でした。

この基金は二瓶 敏(専修大名誉教授)委員長以下3名の会員外委員を含む5名の管理委員で厳重に管理され、会報をはじめ会議や、マスコミに実績報告されています。

これからの活動として最も重要なのは、この多摩美の山の大切さ「保存価値」をより広く多くの方々に理解していただき、トラスト基金にご協力していただくことです。そのために、生物多様性調査や四季折々の自然観察・勉強会、さらに新しい里山の恵みを利用する様々な企画を実施する予定です。また一方、土地所有の実態や開発情報の収集に努めて、「みどり」の破壊を未然に防いで行く必要があります。その名の通りに、多摩丘陵の美しい里山を子どもたちのふる里として保全できることを願っております。

「秋の自然観察と T シャツ作り」のご案内

10 月 31 日(日)開催。観察ウォーキングに参加の方は、9時 45 分小田急線・読売ランド前駅北口に集合。お昼は自然観察指導員の高橋英さんと植物トーキング(弁当各自持参)。午後は、葉っぱなどを押し花風にして作るオリジナルTシャツ作り。

(連絡先:須田 044-955-1160)


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私たちが保全している森と森を繋ぐ斜面地や小道沿いは、多様な草木が育ち、鳥たちも移動に使う「自然の回廊」。大切にしたい。写真は崖に咲くハンショウヅル、5月。(木村)

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