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会報26-5 私の部屋 黄河文明を訪ねて

勝田政吾 [平成18年(2009)09月30日発行会報第26号から]

8月下旬の1週間、宋代の都開封を皮切りに中国の黄河中流に位置する河南・山西のいわゆる中原地域の史蹟めぐりをし、最後に黄河唯一の瀑布壺口を見物する旅行をしました。

この辺は観光ルートとして一般的でない地方ですが、歴史や文学上の名所旧跡の宝庫です。各都市には博物館があり、旧石器時代の発掘品はじめ BC3000 年クラスのものがぎっしりです。三門峡市は洛陽の北側の黄河沿いにダム建設でできた都市ですが、工事を進める程にたくさん遺跡が出てきて、小さな都市に博物館が2つもあります。有名な函谷関も見学しました。洛陽の龍門石窟は武則天の力が及んでいる関係で全般的に優美な仏像でした。関林廟も訪れましたが、整備され過ぎて門前町らしきものがなく残念でした。

さらに尭・舜などの伝説の地、臨汾市を経て壺口瀑布へ向かいました。黄河が急に狭まり 30m 位の落差を一気に落ちるのですが、川幅いっぱいの泥水が落ちて水面をたたき水しぶきをあげる様は壮観で迫力十分でした。

全般に感じることは、博物館や伝説・詩文による民族意識の高揚政策がとられる一方、早朝の体操や朝市で示される地方都市の人々の満ち溢れるエネルギーの迫力です。緑化に対しては、現在では農民にも十分理解されて、沿道の農地に 10mくらいに育ったポプラの林が延々と続いているのには感心しました。

何を見ても、この大国中国とはこれから上手に付き合っていかねばならないと、今更ながら強く感じました。

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