麻生区市民健康の森 ― 麻生鳥のさえずり公園 ―
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会報45-4 西生田小3年生 春・夏の森の観察会の報告

副会長 中谷 一郎 [平成27年(2015)09月30日発行会報第45号から]

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コナラ・クヌギの観察(春)

西生田小3年生の今年度の体験学習は、多摩美の森の木々が季節でどう変化するかを知ってもらうため、先生からの提案もあり、春、夏、秋、冬とも同じ樹木を観察することにしました。選定樹木はオニグルミ、コナラ・クヌギ、クサギ、ホオノキで、ほかに自分たちが気づき、興味をもったことを自由観察しました。春と夏の観察会について報告します。

●春の観察会

5月 27 日(水)9時から約1時間 30 分。児童 122 名全員が当市民健康の森を回って、自分で決めた樹木を観察し、ノートに熱心に絵と文章を書き入れていました。春の森の木の葉っぱの色は? のらぼう菜はどん な花? ハルジオンとヒメジョオンの違いは? 虫や昆虫はいたか?など。ダンゴムシやバッタを直ぐに見つけ、解らないことは会員に熱心に質問していました。

●夏の観察会

8月 26 日(水)が雨で 28 日(金)に延期。どんよりした天気で雨を心配しましたが無事実施できました。夏も3年生3組全員122名の参加で、初めに間野会長のあい さつがあり、次いで自然観察指導員の高橋英さんが、春の学習後に子供たちから上がった質問に答えて、春に花が咲く植物について講義されました(右記参照)。

春に指定した樹木の所には会員が立ち、それぞれの木の春からの変化や、花から実への成長などを説明。また広場を自由に回って、数多くの種類のバッタやジョロウグモを見つけ熱心に観察していました。秋にはどうなっているでしょうか?楽しみです。

藤棚の下のテーブルにセミの成虫、抜け殻の写真と採集した実物を置き、雄と雌の見分け方など、熱心に観察していました。

●子供たちからのたくさんの質問と回答

子供たちから、春に初めて見た森についての15項目の質問書をもらい、高橋英さんにご指導・協力いただき、また会員の体験なども併せて回答書を作成しました。その中から3項目についてここに紹介します。

1)春に咲く植物は何種類ありますか?

必ずしも季節ではっきりと分けきれないが、多摩美の森には顕花植物(花の咲く植物)が 480 種類あり、そのうちシダ類20種類を除いた460種の6割、276種類が春に咲く植物でしょう。

2)オニグルミの中身はいつ頃からできますか?

5月に花が咲くが、この時もう小さな実のもと(子房)ができています。受粉を終えると、中身(種子)ができていき、6月には割ると種子の形が見えるようになるが、熟すのは9月終わりから 0月。昔、子供たちは夏休みに川遊びに行くと、岸に生えているオニグルミの実を落とし、割って種子を取り出して食べたものです。その頃は完全に熟していないのでやわらかでした。

3)クサギの葉は、こするとなぜ独特の匂 いがするのですか?

葉の中に揮発性の物質が含まれていて、傷ついたり、虫に食べられたりした時に香りを出して、「食べないで」と警告するための臭いですが、ビタミン臭も含まれてい す。花の香りは虫を呼んで花粉を運んだりしてもらうためが多いけれど、葉や茎は防御作用にしている植物が多いです。

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