麻生区市民健康の森 ― 麻生鳥のさえずり公園 ―
*

会報29-1 春の自然観察会-多摩美の森の帰化植物

勝田 佳代子 [平成22年(2010)06月30日発行会報第29号から]

img1045今年の春の自然観察会は爽やかな風薫る4月25日の土曜日に行われました。多摩美の森 の帰化植物がテーマです。 多摩美の森にはどれくらいの帰化植物があ るのか、そして在来種はどんな状況にあるのか皆で見て歩きました。講師は自然観察指導員の高橋英さんです。

一般的に帰化植物とは江戸時代末期から現代にかけて意識的・無意識的に移入されたも ので、現在では輸入牧草とともに無意識的に入って来るものが多いそうです。川崎市の帰化植物状況は、最も帰化率の高いのは川崎区で70%、最も低いのは麻生区の30%とのことで 多摩美の森はどうなっているか、興味津津でスタートしました。主として80種の草花を対象に帰化種と在来種に分けてみました。

帰化植物で有名なセイタカアワダチソウやハルジオンなど抜いても抜いても 生えて来ます。また、一見可憐な花 を咲かせるセリバヒエンソウ、ハナカタバミ、ナガミヒナゲシなどもい つの間にか増えてしまいます。帰化 植物は一般に猛烈な繁殖力を持っているのが困りものです。

貴重な在来種として、この森には、 少ないながらミズタマソウ、アマドコロ、マルバコンロンソウなどがありました。

結果として多摩美の森の草花は帰化率34%ということになりました。

樹木の帰化率については、シンジュやハリ エンジュなど数本で、さすがにほとんど帰化種はありませんでした。 里山として緑地の保全・管理をする多摩美 の森は、極力外来種の侵入・拡大を防ぎ、在来の植物を守っていかなければとの思いを新たにしました。 なお、この点に関連して、広場の外観を良 するための草刈りは、地面すれすれに行うと生長点が上部にある草はすべて切られてしまい、生長点が根元にあるイネ科の植物だけが残って単調な草地になってしまうとのこと です。これは、在来種を守る点からも問題が あるので注意しなければいけないという指摘がありました。

前のページに戻る ページの先頭へ