会報19-4 多摩自然遊歩道沿い緑地の開発問題
会長 勝田 政吾 [平成19年(2007)12月31日発行会報第19号から]
問題の場所は、遊歩道をはさんで市民健康の森のすぐ対面、読売ランド外周道路との交差近くです。開発の看板は5 月中頃に立てられ、1,327.83 ㎡に住宅を6戸建設の計画でした。市の総合調整条例によって近隣住民は事業主に対して要望書を提出できるが、その期限は6月6日とのことでした。この条例は一見住民に配慮した制度ですが、緑地保全の立場から見ると行政が余程しっかりして指導してくれない限り、開発側の意のままになりかねない危うさを含んでいます。当会は近隣町
会とともに業者側に要望書を送り、さらに全面保全を求めて市長宛てにお願い書、市議会宛てに陳情書を提出することにしました。
多摩美町会始め近隣町会は周辺緑地の保全に熱心で、その運動は25年の歴史を持ち、遊歩道、市民健康の森、日本たんぽぽ保全地、さらには最終結果には至っていないものの多摩美ふれあいの森もすべてその成果です。今回の開発予定地は明らかに遊歩道(緑地保全地区)の一部なのですが、菅―早野線計画道路予定線が横切っていたため飛び地となってしまい、道路計画が事実上凍結となった後も手つかずで残されてしまったものです。
一方、外周道路は、ランド敷地内の農道の付け替え道路として建設されたものですが、計画が具体化してきた昭和63年から平成元年にかけて町会側と市が話し合いをして、近隣緑地に対して新設道路側からの開発が起こらぬように配慮し措置を行う旨の書面までもらい、市は道路沿いに数メートル幅の土地を取得してくれたのです。私たちは、今回の開発対象地もそれと同じように考えていたのですが、いつの間にか公衆用道路という地目になっていることが判明して、唖然としました。
市・市議会・事業主への働きかけとして、いずれも直近3町会、こもれびの会、みどりの会、当会の6団体で6 月4 日に書類提出しました。このうち市議会への保全の陳情については、これまでの経緯の記録等を資料として担当の環境委員に配り、懸命に説明やお願いをした結果、10 月26 日に趣旨採択となりました。しかし、これで行政がすぐ動くわけではないので、現在も働きかけをしています。
続きは改めてご報告します。