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水辺の野鳥

17kawasemi

 

アオサギ
(90-98㎝)

 09aosagi 河川、湖沼、湿原、干潟、水田などに生息する。非繁殖期には単独で生活するが、本種のみで数羽が同じねぐらに集まったりコサギなどのねぐらに混ざることもある。魚類、両生類、昆虫などを食べるが、鳥類の雛、小型哺乳類を食べることもある。水辺で待ち伏せたり、水辺や浅瀬を徘徊しながら獲物を探す。小型の魚類は嘴で挟んで捕えるが、コイなどの大型の魚類は側面から嘴で突き刺して捕えることもある。獲物を発見すると、素早く頸部を伸ばし捕食する。
オオバン
(39㎝)
 60ooban 湖沼、湿原、水田などに生息する。非繁殖期には大規模な群れを形成することもある。英名cootは鳴き声に由来するという説もある。食性は植物食傾向の強い雑食で、主に水生植物を食べるが魚類、鳥類の卵や雛、昆虫、軟体動物なども食べる。繁殖形態は卵生。水辺や水生植物の中に植物を積み上げた皿状の巣を雌雄で作り、1-13個の卵を年に2回(3回産むこともあり)産む。
カイツブリの親子
(26㎝)
 61kaituburioyako 流れの緩やかな河川、湖沼、湿原などに生息し、まれに冬季や、渡りの時には海上で見られることもある。主に水上で生活して、ほとんど歩くことはない。川中の浅瀬を横断するために歩く姿が見られることもあるが、歩くのは非常に不安定のようである。足は歩くためではなく櫂の役割のためにあるとみられ、足が生えている位置もほかの水鳥とは違い尻付近から出ている。泳ぐ姿は上から見ると、カエルの後ろ脚のように使う。
カルガモの親子
(61㎝)
 62karugamooyako 湖沼、河川などに生息し、冬季になると海洋にも生息する。渡りは行わないが、北部個体群は冬季になると南下する。食性は植物食傾向の強い雑食で、種子、水生植物、昆虫などを食べる。狩猟で撃ち落とされた本種で、3.2-6.6cmのオイカワを30尾食べていた例もある。水面でも陸上でも採食を行う。
カワウ
(81㎝)
 63kawau 主に河川部や湖沼などに生息し、近年は個体数が増加した影響からか海上でも見られる。本種の主なエサであるコイなどが、人の手による無計画な放流により上流域にも生息するようになったので、本種もまた山間部など上流域に進出している。
カワセミ♂
(17㎝)
 17kawasemi 海岸や川、湖、池などの水辺に生息し、公園の池など都市部にもあらわれる。古くは町中でも普通に見られた鳥だったが、高度経済成長期には、生活排水や工場排水で多くの川が汚れたために、都心や町中では見られなくなった。近年、水質改善が進んだ川では、東京都心部でも再び見られるようになってきている。ヒスイ、青い宝石、古くはソニドリ、鴗と呼ばれることもある。
キセキレイ
(20㎝)
 64kisekirei 夏季は渓流沿いなどに好んで棲み、セグロセキレイ、ハクセキレイとは概ね棲み分けている。積雪地に棲む個体は冬になると暖地へ移動する。冬季には市街地の水辺でも観察される。冬季は単独で、夏季は番いで縄張り分散する。雄は特に縄張り意識が強く、同種およびセグロセキレイ、ハクセキレイと追いかけ回して縄張り争いをする様子もよく観察される。夜間は近隣の森などに塒を取る。ハクセキレイに比べると人間に対する警戒心が強い。
キンクロハジロ♂
(40㎝)
 65kinnkurohajiro 湖沼、河川、河口などに生息する。食性は雑食で、水生植物、昆虫、甲殻類、軟体動物、魚類やその卵、カエルなどを食べる。繁殖形態は卵生。5-7月に水辺の草原や浅瀬(カモメ科の集団繁殖地内に巣をつくることもある)にアシやイグサなどの枯れ草などを組み合わせた直径20-25cmに達する巣をメスが作り、6-14個の卵を産む。メスのみが抱卵し、抱卵期間は23-28日。雛は孵化してから45-50日で飛翔できるようになり独立する]。生後1-2年で性成熟する。
ゴイサギ
(57㎝)
 66goisagi 河川、湖、池沼、湿原、水田、海岸などに生息する。単独もしくは小規模な群れを形成して生活する。夜行性で、英名(night=夜)の由来になっている。昼間は水面に張出した樹上などでひっそりと休む。食性は動物食で、両生類、魚類、昆虫、クモ、甲殻類などを食べる。夜間水辺を徘徊しながら獲物を捕食する。
コガモ♂
(38㎝)
 67kogamo 非繁殖期には、湖沼、池、河川、干潟などに生息する。淡水域に多い。越冬の終盤である2月末〜3月につがいを形成し、繁殖地へ渡る。つがいを形成する前の11月〜1月頃には、オスはメスに対して盛んにディスプレイ行為を見せる。繁殖期には、河川や湿地の周辺の草地などに生息する。食性は植物食で、河川や湖沼などの水面から届く範囲の藻や水草などを食べる。夜間に採食することが多い。
コサギ
(61㎝)
 68kosagi 水田や川辺、海岸などで首を縮めて立っている姿がよく見られる。魚類、カエル、ザリガニなどを捕食する。獲物を捕らえる時は足でつつくようなしぐさをして、物かげから獲物を追い出してから捕らえることもある。
セグロセキレイ
(21㎝)
 69segurosekirei 主に水辺に住むが、水辺が近くにある場所ならば畑や市街地などでも観察される。好む地形はハクセキレイに近いが、比較的河川の中流域などを好む傾向がある。瀬戸内海の大きな河川の少ない地域では、海岸沿いの堤防・波消しブロック上、干潟・砂浜で見られることも多い。ハクセキレイやキセキレイとは概ね棲み分けている。
ダイサギ
(90㎝)
 70daisagi 水田や川、湖沼などで、魚、両生類、爬虫類、昆虫、更には哺乳類や鳥類までも捕食する。首をS字型に縮めて立っている姿がよく観察される。繁殖は、サギ科の種類同士で寄り集まって、集団繁殖地の「サギ山」を作る習性がある。鳴き声は「ゴァー」、主に繁殖期に鳴く。
ハクセキレイ
(21㎝)
 71hakusekirei 主に水辺に棲むが、水辺が近くにある場所ならば畑や市街地などでもよく観察される。河川の下流域など比較的低地を好む傾向があり、セグロセキレイやキセキレイとは、夏場は概ね棲み分けている。
バンの親子
(32㎝)
 72bannooyako 湖沼、川、水田、湿地などに生息するが、公園の池などにも生息することがある。長い足を高く上げながら水際や浮いた水草の上を歩き回る。泳ぐことも水に潜ることもできるが、足に水かきはなく、尾が高く上がった前のめりの姿勢でぎこちなく泳ぐ。食性は雑食性で、昆虫、甲殻類、植物の種などいろいろなものを食べる。「クルルッ」と大きな声で鳴き、この声から水田を外敵から守る「番」をしている鳥として名前の由来になったとされる。
マガモ♂
(59㎝)
 73magamo 非繁殖期は、湖沼、河川、海岸に生息する。群れを形成して生活する。越冬中の10月末-12月につがいを形成し、春には雄雌が連れ立って繁殖地へ渡る。繁殖期は湖沼、池、湿地の周辺の草地などに生息する。食性は植物食が主の雑食。水草の葉や茎、植物の種子、貝などを食べる。水面を泳ぐのは上手だが潜れず、水中に首を突っ込んだり逆立ちしたりしてえさをとる様子がよく見られる。

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