あさお謡曲研究会の沿革

 

麻生区は市民が余暇を利用して現代に即した知識・教養を習得し、豊かな人格形成を培いながら地域の発展に寄与することを目指すとして、教養・趣味・生活技術等の日常生活に関係の深い科目を選び、毎年成人学校を実施ていました。昭和62年度(1987年)の企画として謡曲もその一つに選ばれ、麻生区より金春流宗家・金春信高氏に講座担当の要請があり、以下に記載のように宗家はじめ多くの金春流・能楽師による講座を2回にわたり行い、その受講者によってあさお謡曲研究会が1988年4月26日発足しました。宗家よりあさお謡曲研究会の初代講師は金春流能楽師・高橋万紗先生が指名されました。

 

1987

 

● 成人学校講座として、金春流宗家以下能楽師による3か月間にわたる8回の講座及び各開催日30分高砂、羽衣の謡曲実習が計画・実行された。各回講座 pm1:30~2:50、 3pmより謡曲実習。 典拠:金春月報 '87 10月号 p4 及び 川崎市教育委員会 昭和62年度活動報告書(産業文化会館・市民館)

場所:麻生市区立民館 対象:麻生市民の男女在勤15歳以上 45名

 

09月24日 「能面について」             金春信高

10月01日 「10月度鑑賞能曲目解説」 吉場弘明

10月08日 「装束と着付の実演」       本田光洋

10月15日 「能楽の囃子と謡曲」       金春信高

10月22日 「謡曲文学について」        富山禮子

10月29日 「11月鑑賞能曲目の解説」 島原春京

11月05日 「能楽の演出と構成」       高橋 汎

11月12日 「能の歴史と現状」         金春安明

 

 

1988

 

●1.麻生市民館主催で謡曲入門講座など6科目の麻生成人学校受講生募集が行われ、謡曲では定員45名、1月17日~4月3日に10回の講座が行われた。 於:麻生文化センター(市民館),市内在住在勤15歳以上、講師は富山禮子、島原春京両氏。教材費¥2000、典拠:麻生成人学校受講生募集案内 及び 川崎市教育委員会 昭和62年度 活動報告書(産業文化会館・市民館)

 

01月17日 「能楽鑑賞会」 羽衣、安宅、小鍛冶

01月19日 「謡曲 羽衣Ⅰ」

02月02日 「謡曲 羽衣Ⅱ」

02月09日 「謡曲 羽衣Ⅲ」

02月16日 「謡曲 羽衣Ⅳ」

02月23日 「謡曲 加茂Ⅰ」

03月08日 「謡曲 加茂Ⅱ」

03月22日 「謡曲 加茂Ⅲ」

03月29日 「謡曲 加茂Ⅳ」

04月03日 「能楽鑑賞会」 加茂、西行桜、葵上

 

 

●2.麻生市民館主催で能楽講座・麻生市民大学講座「風姿花伝を読む」として、1月~3月土曜日2-4時、8回の講座が能楽師、能楽研究者、能楽評論家及び歌人の講師8名により行われた。於:麻生文化センター大会議室、受講料\3000 典拠:川崎市教育委員会 昭和62年度活動報告書(産業文化会館・市民館)、金春月報 '88 2月号 p4

 

01月16日 風姿花伝第一「年来稽古条条」   能楽研究者    増田正造

01月30日 風姿花伝第二「物学条条」       能楽評論家    堀上 謙

02月06日 風姿花伝第三「問答条条」       喜多流能楽師  香川靖嗣

02月20日 風姿花伝第四「神儀伝」         金春流宗家    金春信高

03月05日 風姿花伝第五「奥儀讃歎云」     能楽研究者    西野春雄

03月12日 風姿花伝第六「花修云」         能楽評論家    八嶌正治

03月19日 風姿花伝第七「別紙口伝」       能楽評論家    長尾一雄

03月26日 私と風姿花伝                  歌人           馬場あき子

 

 

●3.あさお謡曲研究会設立 会規約(案)昭和63年4月26日付実施。