小面 2014年9月

IMG_0249a.jpg

もっとも若い女性の面がこの小面である。
小面の「小」には年若いというだけでなく可憐なあるいは美しいという意味も含まれている。
平安時代の貴夫人や天女などを表す「松風」「井筒」「羽衣」に用いられる。
 


この小面は私が生まれて初めて打った能面です(同じ面を二つ作って次に進むため実際には二作目)。仕事で福井県に長期出張中、休日に白山とその周辺の山歩きをしていてたまたま能面工房を覗いたのがきっかけでした。滞在期間が残り1年でしたが即弟子入りして月2回、多い時は4回、約60㎞の工房まで通いました。彫るのが楽しくて毎晩遅くまでやった事を思い出します。始めて完成した時の嬉しかったこと、今でも忘れません。

花の小面  重要美術品   龍右衛門作 

 秀吉が愛蔵していたとされる、雪・月・花3面の小面の内 「花の小面」が三井記念美術館に保存、展示されており、8月初旬に観賞してきました。写真では見ていたが実物を見るのは初めてです。彫り、彩色、全体のバランスすべてがすばらしい。この様な面を打ってみたいと思うが無理ですね。