能「高砂」鑑賞記

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平成25年6月29日、矢来能楽堂で円満井会定例能があり観賞してまいりました。私にとっては2回目の矢来能楽堂なので、地下鉄神楽坂駅矢来口よりすぐに入場でき、席は中正面、目付柱の近くで全体の動きがよく見られました。

 

 

番組は最初に、シテ方金春流能楽師中村昌弘先生の演ずる「高砂」でした。今“あさお謡曲研究会”で習っている最中のことでもあり、また私の好きな演目でもありますから、楽しみと緊張感のなかで始まりました。

今も心に残る場面は、橋掛での真ノ一声という“高砂の、、、、、”の場面、静かにゆったりとしたあの独特の音声と抑揚、高砂の浦の松と老夫婦の長寿をめでる光景を彷彿とさせるものがありました。そして後半での“神舞”、能の舞台でなければ拍手喝采の場面なのでしょうが、心の中で拍手喝采し静かに見守りました。そして地謡の“千秋楽は、、、、”で終幕となりました。

さて、能「高砂」を鑑賞するにあたって、中村昌弘先生からA4裏表1枚の解説文をいただいておりましたので、大変参考になりました。

その中の「④所作」の項で、杉箒で松の落ち葉を掻く“型”があります。これはある漢字一字を書くのですが、さてなんでしょう?、とありましたが、わかりませんでした。教えて下さい。

また「⑤囃子」の項で、五段次第の場合は三遍返しといい、ワキ→地謡→ワキと同じ文言を三回繰り返します、とありましたが、実際に見て聞いて初めてよくわかりました。

これからもできるだけ能楽を観照し、小謡や独吟の分野で頑張りたいと思います、よろしくお願いいたします。

                        鈴木 徹