ウィキペディアによると、セレンディピティ(英: serendipity)は、何かを探しているときに、探しているものと は別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何 かを発見をする「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけに閃きを得、幸運を掴み取る能力 のことである。嘗てはよく日本のノーベル賞受賞者が自分の受賞にいたった切っ掛けを語るときに使われる ことが多かった。
今月10月の日経・文化面にノ-ベル賞受賞者・根岸英一博士が執筆中の『私の履歴書』に、今回の授賞に 繋がった発見は、これまでの受賞者とは違い、セレンディピティだとは書かなかった。彼が発見に向けて 最も大切な項目の最後の10番目に挙げ、多くの発見は必ずしもセレンディピティがなくても発見は可能で あるとし、中心はあくまで,系統だった探索だと確信するとしている。それでも10番目には挙げている。
自分の若い頃は、世間ではセレンディピティは思わぬ予期せぬ幸運に恵まれるという意味で専ら使われ ていたように思う。日本のかつての同賞・受賞者達も現象としてこの言葉を用い、ご自分の発見を喜んで いたように思う。自身がその能力があったなどと言った日本人受賞者は記憶にない。これは科学が長足のスピードで発達・発展し、色々な摩訶不思議な現象までも、ある程度予想,予測さ れる時代になって来たからだと思う。自分は古希を過ぎ、干支も6周も通過し、麻生区市 民館の生涯学習活動のサークル連絡会に属し、あさお謡曲研究会でシテ方・金春流能楽師中村昌弘 講師から謡曲のご指導を頂いて居る。
8月21日から9月25日の酷暑の続く中、能楽の普及と会員募集を目的に師匠の中村昌 弘先生にお願いし、5回の講座と能楽公演鑑賞会を行いました。予想もしない多くの方からの講座参加のご希望が あり、市民館和室の定員45名の満室の会場に受講者は暑さを物ともしないで、毎回講座を楽しみに高出席率を続けた。講座終了後、15名以上の方が今後謡曲を習いたいと希望され、既に午後の会に5名、 又新しく夜のコースを設け6名の方が12月から稽古をスタートすべく準備をされています。
能楽入門講座の様子は来月にはこのHP上でご紹介の予定で準備中です。この現象はかつての意味でのセレ ンディピティでした。幸運でした。(宮崎正彬記)