川崎市教育委員会・麻生区市民館サークル連絡会公開講座として、シテ方金春流中村昌弘能楽師を講師にお招きし能楽入門講座と題し,8月21日~9月25日、5回の講座を市民館で開催しました。当初定員20名の予定で計画・公募しましたところ、当講座の開催の趣旨・能楽普及並びに会員募集に則り,参加料(教材費\1000)が低額で参加しやすいこともあってか、参加希望者が予想外に多く瞬く間に定員を超えましたので、参加希望者を極力受け入れることにし、主会場の和室の定員45名まで急遽枠を拡げ対応させて頂きました。
受講者が40名を超える多数のため、各班10名以上のA,B,C,Dの4班に区分し、各班夫々に受講者が正副世話役を選び5回の講座の円滑な自主運営を行いました。
中村昌弘講師は受講者に、日本の伝統芸能「能楽」を楽しく学んでみませんか?と呼びかけ、5回の講座終了時には結婚式で有名な「たかさごや~」を謡えるように、毎回少しずつお稽古していきますと目標を掲げ講座は始まりました。和室の会場は満室で多少窮屈になり、エアコンはされているものの酷暑の続く中でしたが、講師の説明は分かり易く、面白く、受講者は暑さを物ともしないで、毎回講座を楽しみに高出席率を続けました。
講座外として、中村昌弘講師がシテを演ずる邯鄲などの演目が予定されていた矢来能楽堂での能楽公演鑑賞会を行いました。受講者の半数のご参加があり、能楽鑑賞が初めての受講者の方も事前に講師より邯鄲の詳細な説明を受講していましたので良く理解できたと好評でした。
又最終日の『高砂』ミニ発表会は4班の各班毎のコンテストの形で行われました。どの班も強吟の難しい節回しの高砂ですが5回の講座の成果が発揮され楽しく有意義な発表会になりました。
講座終了後、15名以上の方が今後謡曲を習いたいと希望され、既にあさお謡曲研究会の午後の会に5名、又昼間はお仕事などで謡曲の会に参加できない人で新しく夜のコースを設け6名の方が12月から稽古をスタートすべく準備をされております。能楽入門講座の様子をご紹介いたします。
第1日 8月21日
● 能の歴史の解説 プロジェクターを使用し、能の一曲の流れ解説
● 高砂の謡いののための、大きな声を出す発声練習
第2日 8月28日
● 『高砂』 を謡う
● 能の所作体験 (構え、すり足、扇の開け方など)
第3日 9月4日
● 『高砂』 を謡う
● 能の楽器 (笛、 小鼓、大鼓、太鼓)
● 能面・能装束・小道具
第4日 9月11日
● 『高砂』 を謡う
● 能楽鑑賞Q&A
● 番組の読み解き方、能の種類、おすすめ曲
講座外行事 9月15日 能楽公演鑑賞会 円満井会定例能 於:矢来能楽堂
● 演目: 敦盛、杜若,邯鄲など
● 本能楽入門講座 中村昌弘講師 邯鄲 シテ/盧生 出演
中村先生の「邯鄲」舞台写真は
ギャラリーNAKAMURAに掲載しています
第5日 9月25日
● ミニ発表会 『高砂』を能舞台で謡うように謡ってみる
発表会を前に 舞台への入り方、並び方、扇の扱い方など練習
班毎に分かれ、謡の調子合わせ、発声練習
● まとめ 質疑応答
● 講座の閉めに全員で「千秋楽」を連吟した。
講座終了後、受講者(希望者)、あさお謡曲研究会関係者が中村昌弘講師を囲み、打上げ・懇親会を市民館近くの『夢庵』で行った。
受講された皆様から沢山の心のこもった感想を頂戴いたしました。 ありがとうございました。