ちっちゃい演劇フェスティバルのご報告

 「くりすますのおくりもの」で弾き語りを担当した“すげばばあ”です。私は涙腺がこわれているので、りんどうの演目やテーマが苦手です。涙をこらえながら朗読するのは、本当に大変なんですよ。                 

 ちっちゃい演劇フェスティバルでも「真面目で、少しほろりとさせるりんどう」のイメージは定着しているようで、「りんどうは何処へ行こうとしているの!?」という進行役の叫びは、ある意味、もっともなものでした。ご覧いただけなかった皆様に、あの日、何があったのかご説明致しますと・・・。

 私達が演じたのは、一本のにんじんが、四匹の動物の間で、心あたたまる贈り物としてやりとりされ、最後にはひとまわりしてしまう、というロシア民話でした。りんどうっぽいでしょう?

 衣裳やしぐさを工夫して、四匹を二人で演じ分け、背景の木は「動く装置」として演出家自らが担当(この木は少しずつ雪が積もって、しまいにはクリスマスツリーに変身! 舞台袖の黒衣も大忙し)。さらに動物達は、にんじんやじゃがいもや○○を生で食べ、時にはのどにつまらせながらもせりふを語る・・・。お客様、大沸きでした。

 慣れない楽器の扱いに気をとられていた私も、本番ではじめて、ウサギ・ロバ・ヒツジ・ノロジカの演技を目のあたりにして大笑い。しかし、語り手が乱れては、いけません。笑いも涙も、演者が先取りしては、お客様の素直な感情の動きを邪魔してしまいますからね。

--りんどうは何処へ行く?--

 りんどうは何処へも行きません。どんなおはなしでも、淡々と真剣に演じていくだけなんですよ、と心の中で思いました。

 そして私は、これからは、涙だけじゃなくて笑いもこらえなくちゃいけないんだ、なんてこったあ!と心底あわてたのでありました。やってる本人もはじめて気がつく、りんどうのおそろしさ。いや、おもしろさの一端をご紹介致しました。 (すげばばあ)

DSC_0001.JPG                                                   DSC_0005.JPG