7月30日川崎市まちづくり委員会 陳情50号不採択に

 7月30日(木)10:00~川崎市議会まちづくり委員会が開かれ、陳情第50号「片平立て坑掘削にともなう工事用道路建設に関する陳情」(添付参照)が審議されました。住民は7人が傍聴し2時間におよぶ審議を見守りましたが、結果は残念ながら「不採択」となりました。
 人口減少とインターネット普及による通勤需要の減少が明らかな将来の日本で、大量の電力を消費し、自然を破壊し、安全対策も不十分な乗り物が果たして必要なのかどうかの問題意識も希薄なまま、市議会まちづくり委員会はただJR東海の事業を追認するという、市民目線を失ったものと言わざるを得ません。
 自民、公明、みらい、無所属の委員(議員)は、道路建設について環境影響をやり直すまでは工事を中止すること、工事道路の複線化や往復別ルートにするなどをJR東海に働きかけることはもはや無理であると判断し「不採択」の意思表示をいました。共産問うだけが「採択」を主張しましたが、結局「採択」少数として委員会は「不採択」を決めました。
 委員会ではまちづくり局が主に説明や答弁を行いましたが、JR東海に対し住民に対する説明を丁寧に要請してきたことを説明するだけで、JR東海への指導、監督の立場を放棄してきたことが明らかになりました。また環境局の担当者は道路工事について「環境影響評価」をやったのかという質問に、「柿生交差点の交通量、環境影響評価」を行ったので、非常口周辺や道路工事地域の環境影響評価もそれに含まれるものであるという驚くべき答弁をしました。また、まちづくり局長はまとめとしての発言で「リニア新幹線は三大都市圏を短時間で結び経済効果が大きい」と評価し、「工事については環境保全をきちんと行うようJR東海に要請していく」と述べました。リニア事業の開始時のリニア効果については今や否定する状況になっており、JR東海や国交省が言うがまま市民をそっちのけにしてJR東海のやりたいように進めるという市の当事者の姿勢は真摯さと切実さにかけるものと言わざると得ません。JR東海はコロナ感染を防ぐため、工事用道路の実施計画については説明会を行わず、対象地域の町内会と住宅に説明資料をポスティングしただけで、住民の理解は得られたと判断し、工事を進めると市に連絡し、市も「当然」とばかりにJR東海の判断を認めたことがまちづくり局の答弁から明らかになりました。コロナ感染を悪用し、工事の実施を急いだことは明らかであり、市としては感染防止が進むまで説明会を延期することをJR東海に求めることがやるべきことです。
 リニアのメリットがない同じ静岡県が県民に寄り添う姿勢を貫いていますが、それとは真反対の事業者よりの市の姿勢にはあきれるばかりです。