無縫会の活動記録と今後の予定
第48回 無縫会議事録
概要
かれこれ30年くらい前の事ですが、アメリカ、ボストンの中華料理店でおみくじを引いた事があります。 1ドルを入れると、ガチャポンよろしく出てくる形式のものでした。
出てきたおみくじには、「老後はcomfortable に送ることができます」のような言葉が書かれていたと記憶しています。
今、私は無縫会のみなさまと時間を共有することによって、おみくじに書かれた通りの快適な人生を送らせて頂いています。嬉しい事です。
さて余談はさておき12月の例会の報告に移ります。
今月の例会は、12月21日、14時30分から開催された。場所は、やまゆり。全員出席であった。
句会は楽しい会話を交えながら進行した。
年末の多忙のためか今回は、季重りの句がいつになく多く見られた。
しかし句をよく観察すると、おでんにつきものの「大根」との組み合わせであってこれは致し方ないのかと思われるものあった。
今回の例会の特選句は以下の通り。
第48回 無縫会例会の 特選句
「 鮹叩く叩きに叩く京おでん 」 南柳
「 酔の眼に凍てつく月や年忘れ 」 南柳
「 ありふれた一日(ひとひ)過ぎ行く小晦日」 華恵
「 火のごとき勇気に満ちて狩の犬 」 藍良
「 漁火を波に隠して冬霞 」 陶泉
「 もうそこに明日が来ている冬木の芽 」 紅乃
「 返り花そのこころ内語れかし 」 南柳
「 おでん鍋ひとりでつつく一間かな 」 遊児
今回の特選句で特筆すべきは、南柳さんの全3句が特選に選ばれた事です。
これは、今迄に無い事で、快挙というべきもでしょう。
例会の俳句談義等
① 「友きたる・・」は、「時を飲む」の表現がgood。
② 「鮹叩く・・」は、「蛸」ではなく、「魚」へんを使用したことがgood。
③ 「おでん・・」は、「一間」の表現により侘しさがより強調されていてgood。
その他は割愛します。
* 紅乃さんの句には、毎回難しい用語、表現が含まれており、大変勉強になります。今後も会員のレベルアップのために披露してくれることを望みます。
俳句の豆知識
切れについての議論あれこれ: 「切れ」がなければ俳句ではないと断言する人もいる。切れのある例:「古池や蛙飛びこむ水のをと」。「切れ」の無い散文的な例:「とりあへず金魚を硝子壜に入れ」。これを俳句らしくするにはこんな言い方が考えられる。;「とりあへず壜にいれたる金魚かな」。
切字(や、かな、けり)を用いる事無くそれに匹敵する言葉を用いた例: 「摩天楼より新緑がパセリほど」(山口誓子の弟子の鷹羽狩行)。「ほど」が切字的な役目をしている。
「切れ」を捨て去った例:「今日なにも彼もなにもかも春らしく」、「昼寝するつもりがケーキ焼くことに」(稲畑汀子)。
最初の句は春らしさを満喫している気分が伝わって来る句となっている。次の句は、家庭の雰囲気が出ている句。
結論:切れに拘る必要無し。(NHK俳句2021年9月号より)
特記事項
次回の予定
「第49回 無縫会開催予定」
開催日 : 2022年 1月25日(火) 10時~12時
場所 : やまゆり
季語 : 「冬」/「新年」。 3句のうち一句は 兼題で 「初夢」
投句数 : 3句
投句方法: 短冊に記載の上、持参
その他 : 会議室使用料¥125を用意願います。
以上 遊児 記