1月の無縫会、活動記録と今後の予定
第38回無縫会(ネット句会)の議事録をお送りします。
記
開催日: 2021年(令和3年)1月10日~19日(火)
(投句:1/10~1/15 選句:1/16~1/19 選句理由、自句解釈提出:1/20~1/23)
参加者 :(全員) 田中さん、井口さん、岩田さん、植木さん、佐藤さん、宮澤さん、中島さん、
三日尻
季語 : 冬/新年(1句以上)
投句数 :3句 全投句数;24句
概要: 今回は、コロナが急拡大となった為に通常の例会に代えてインターネットを介してのネット句会となった。
このネット句会は南柳さんの指示の下、何のトラブルもなく進行した。
投句された句は、流石に時節柄コロナを詠ったものが多くみられた。
またノーマルな句会では、時間の制限があるために選句理由、自句解説は簡単となる傾向にあるが、今回は十分な時間が取られたためか充実し、かつ今後の作句に大変参考になるものが多くあった。
通常は、紙面の関係からこれらは要約して記載してきたが、今回はあまり要約することなく記載する。そのため議事録が少々長くなりますが、その点はご容赦願います。
以下に今回の特選句、並びに選句理由、自句解説を紹介する。
第38回 無縫会例会 特選句
「喝采を一身に受く初日の出 」 華恵
「大寒の刃物のごとき夜明けかな 」 藍良
「去年今年民の祈りの世に満ちて 」 藍良
「山深く山の夢見て熊眠る 」 藍良
「風の道木の葉片寄り集いけり 」 遊児
「神妙に柏手打つ子初詣 」 紅乃
「謡初着流す三味の隅田かな 」 陶泉
「はやぶさも宙の夢追う冬の星 」 陶泉
「初春にナイスショットの声躍る 」 流水
「路地裏の看板の陰冬紅葉 」 華恵
選句理由
① 「喝采を一身に受く初日の出」は、わかりやすく、かつ華やかで、いかにも新春を感じさせる秀句。めでたさがよく表現されている句。更に「「喝采」は華やかで、初日の出の句にに相応しい表現との選評も。
② 「路地裏の看板の陰冬紅葉」は、目立たない場所でひそやかに、だがしっとり艶やかに色づいている冬紅葉の風情が、鮮やかに描かれている。
③ 「寒林の木立ちに落ちゆく入日かな」は、なかなか印象的だが、「林」と「木立ち」が重複に感じられるところも。ここは「寒林の奥に落ちゆく」とか「寒林に吸い込まれゆく」なども考えていいのでは。
④ 「枯蓮のすべてを拒む容(かたち)かな」も印象的だったが、「拒む」はちょっと変えてもいいのでは。たとえば「枯蓮やすべてを捨てて池に立つ」など。
⑤ 「去年今年 民の祈りの世に満ちて」は、世界観が大きいこと、また俯瞰的な視点が良かった。また、今の世の中の様子を見事に表現しているとも。
⑥ 「はやぶさも 宙の夢追う 冬の星」は、コロナで暗い世相を明るく照らして
くれた『はやぶさ』を詠む心の余裕に感激しました
⑦ 「初春にナイスショット・・・・・」の句は、なんともうっとうしい毎日の中でとても明るくほっとする気持ちにさせてくれる句でよかった。
⑧ 「神妙に・・・」の句は私が見た光景そのもので、子供の純粋な姿に接して何かとてもうれしくなった。
⑨ 「大寒の刃物のごとき夜明けかな」は、真冬の朝を刃物の鋭い切れ味で表していて、早朝の厳しい寒さをが実感できる句。他の方も同様な選評。
【自句解説】
① 「大寒の刃物のごとき夜明けかな」は、身を切るような早暁の空気を表現したいと思った。
② 「去年今年民の祈りの世に満ちて」は、多くの人の祈る思いがひしひしと感じられたところから。
③ 「混沌の欠片覆ひし深雪かな」は、朝起きるとすべて雪で覆われていました。雪はすべてのものをまっさらにしてくれるのだなと、あらためて感じ、この句となった。
その他は割愛。
俳句の豆知識
今回はお休み。
特記事項
同人の皆様は、ひとりもコロナに感染することもなく、また例会が盛会裏に終わったことに安堵しています。
コロナは静まる雰囲気も無い訳でもありませんが、まだまだ不透明ですので今しばらく十分にご注意の上、お過ごし下さい。通常の例会が早期に開催できることを祈ります。
今後の予定
「第39回無縫会」は、未定です。
遊児記